冷酷男子の溺愛
少しだけ不安になるわたしと、笑顔を絶やさない瀬戸内くん。
彼の笑顔になるタイミングが人とずれ過ぎていて怖い。
「ほら、あんたも笑って。あんたが笑った分だけ彼を追い詰められるんだから」
ニッコニコ笑って、とんでもない毒を吐く。
こりゃ、きっとわたしたちの会話が聞こえない人から見たら
幸せそうな会話をしてるんとしか思えないんだろうな。
「地獄に墜とせ」
(俺のコーヒー飲む?)って顔で、とんでもないことを言っている。
うわぁあ、こいつもうダメだ。
鬼畜だぁあ、鬼畜すぎる!!
彼の表情と、彼から放たれる言葉のギャップに足元が震えた。
「ほら、笑いなよ」
(いい加減笑えって言ってんだよ。今笑えないんなら、このまま一生笑えなくしてやる)
一番距離をおいたほうがいい人間は
もしかしたら悠じゃなくて、瀬戸内くんの方なのかもしれない。