冷酷男子の溺愛
「わたしは瀬戸内が関係してると思いますね」
「ますね」
・・・なぜ、そこまでわかる。
わたしは両手をあげて大人しく白状した。
ーー
「いやぁあん、やっぱり彼は優しい人だったのねぇえ」
話し終わるとナミは興奮をし、もう手に負えない状態。
ゆっちゃんは、この間のケバ子’s騒動からは信じられないと言った。
……そうだよね、普通に考えればそうなんだけど
「やっぱ、あれかな、同居人のよしみってやつ?」
きっと、そうに違いない。そうしなきゃおかしい。
ーーガラっとドアが開く。
「あ、来たじゃん」
ゆっちゃんの視線をたどるとそこにいたのは、目を細めて眠そうに教室に入ってくる瀬戸内くん。
……わたしが家を出るとき、何の物音もしなかった。
だから、てっきり、もう出て行ったと思ったけど寝てたのか。
……ふっ、また寝癖ついてやがる。
彼のあまりにも無防備な姿に思わず笑いがこぼれた。