冷酷男子の溺愛
・・・
「一体これはどういう状況なのか説明をしてください」
「……は?お前、馬鹿か」
へ?
彼の放った馬鹿という一言にピクリと眉を動かす。
……わたしは瀬戸内くんが待てとか言うから、20分も玄関で待っていた。
それで、ナミとゆっちゃんと話をするどころか今にも遅刻しそうな時間になってしまっている。
……馬鹿呼ばわりされるようなことは何ひとつやっていない。
それなのに、貴様は一体……何様のつもりだ。
あまりに理不尽な彼の態度に眉をひそめて、睨みつけていると
はあ、とあからさまにため息。
「……お前、もう忘れたのかよ、クラスにもお前をはめた奴がいるだろうが」
「……」
「嫌がらせされると思ったから俺はいつもより15分も早起きしたの」
あー、眠いと言って目をこする彼。
「……」
言葉に詰まった。
もちろん、悠たちにされたことは忘れるわけないけど
瀬戸内くんにとっては、別に関係のないことで