冷酷男子の溺愛
でも、この人が早起きなんて……何かを企んでるとしか思えない。
「悪いかよ、早起きしたら」
わたしがあまりにも驚いた顔をしていたからか彼は機嫌悪そうに言った。
「いやいやいや、だって」
「うざ、その反応」
正直、瀬戸内くんが早起きとか目玉どころか内臓まで飛び出そうになるわ。
わたしは思い切り睨んでくる彼を横目で見ながらお味噌汁をすすった。
ーー
「ついてくんなよ」
「仕方ないでしょうが、目的地が一緒なんだから!
文句があるなら瀬戸内くんがどっか転校すればいいだけの話!」
「お前が転校しろ」
そして、登校時間が被ったということもあり、なぜかまた二人で登校する。
もう、あれから悠たちが関わってくることはなくなったし、一人で平気なのに、何でだろう。
「本当最近口悪いよね、何とかならないの?」
「うっさい、黙れ」
なんだか一緒に過ごしていく時間が長くなればなるほど
恋愛に発展していくのが遠のいている気がした。