お嬢様にはなりきれない!
「そういえば、何で雄大ずっと黙ってたの?」

紅が全く遠慮せずに聞くと、俯く雄大。

「ただ見惚れてただけだろ。」

夜広が真顔で言った。

本当にこいつらは、“遠慮”という言葉を知らない……。


「ち、違いますよ!そ、そ、そんなんじゃないっす!!」

雄大は、顔を真っ赤にして否定する。

………図星かよ。

確かに柚希は綺麗だもんな。

女に免疫が無い雄大なら、見惚れるのも仕方ない。

「だめだよー?柚希ちゃんは、梓馬のお気に入りだからー♡」

にやっとして俺を見る紅。

お気に入り?

「別にそんなんじゃねーよ?」

まあ、気に入ってなくはないけど。

恋愛対象として意識はしてねーな。
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