お嬢様にはなりきれない!
「え、好きなんじゃねーの?」

夜広がきょとんとしている。

「柚希は仲間だろ。」

「えぇ……まあ、そうだけど…。」

納得いかない様子の紅。



スピースピー

ソファから寝息が聞こえる。

「またかよ……。」

夜広がため息をつきながら、玲音に毛布を掛けた。

玲音(れのん)は寝るか、携帯弄るかの2択しかねーな……。

寝返りをうつ度に色素が薄い猫毛がふわふわしている。


「そういえば、柚希ちゃんを姫にさせたのって玲音だよね?」

「………そうだな…。」

紅と夜広がはっとしたように話す。

そういえば、玲音が初対面の人と話すの珍しいな。

しかも、女と話すなんてな……。

幹部以外の奴らにも、早速人気になってたし。

………柚希のカリスマ性はすげーな。
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