南国タイフーン
テーブルを挟んで、二人が向かいあった。


柴田が手帳を取り出す。

氷室はA4サイズのスケッチブックを広げた。


コンテも、メモも全て、これ一冊だった。


「まず、朝ですが、7時にホテルのロビーに集合。マイクロバスで桟橋に行き、それからモーターボートで離島へ。

撮影開始は10時から12時。昼食を挟んで、昼からの撮影は14時から16時まで。

以上で間違いありませね」


「その通りですよ、柴田さん」


氷室が言った。


「そこで、ご相談なんですが」


柴田が意味ありげに言った。
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