未定[一年夏物語]
6話
昔の記憶

深夜1時

あんまり寝付けないな…
ちょっと窓で空でも見とくか…

海の音が旅館まで聞こえてくる
ザァァァァ

何か昔の事を思い出すなぁ…

…数年前…

お父さん[じゃあな龍夜…]
龍夜[お父さん!どこ行くの!?]
お父さん[別にどこでもないよ]
龍夜[嘘だ!だってそんな多荷物で!]
お父さん[………]

お父さんは黙って家を出た…

お父さんはそのまま帰って来なかった
僕が小学6年生の頃
僕は隣町の祭りに
来ていた

龍夜[…]

龍夜[…ん?]

見た事があって
僕が憎み続けた人の姿があった

龍夜[親父っ…!]

親父は知らない女と歩いていた
恐らくあの時からずっと
浮気していたのだろう
母さんはあの時親父を
必死に探していた
あの時の母さんは
悲しい顔をしていた
その顔を僕は忘れもしない
その思いをねじ伏せる様な
事をしている親父と
出会ってしまったのだ

親父[それでね あいつがさぁ…]
女[えー本当に〜?]
龍夜[おい]
親父[本当だよぉ〜]
龍夜[おい!クソ親父っ!!!!]
親父[あぁ?]
龍夜[何なんだよ!僕の思いも母さんの思いも全てねじ伏せて良くそんなことできたな!]
親父[た 龍夜っ!お おっきくなったなぁ]
龍夜[今すら親父ぶってんじゃねーよ!]
僕は言いたい事を行って逃げてしまった…
それっきり親父とも会ってない
出来れば会いたくない

龍夜[変な事を思い出しちゃったなぁ]

この事はいまだに誰にも話していない
知っているのは
母さんと親父と兄貴だけだ

龍夜[そろそろ寝るか…]

……
………
鳥の声が聞こえてくる
朝が来たんだ…
何か体が重い…
ふと布団をめくってみると
別の部屋のはずの
美来がいた

龍夜[え?]
八枷[うぅん…]
爆睡してるようだ…
龍夜[嫌がらせしてやろうか…]
八枷[………]
龍夜[みっ! 美来っ!]
八枷[うあ!どっ どうしたの!?]
龍夜[みっ! 皆が血まみれで倒れてたんだ!]
八枷[えぇぇぇ!!!]
八枷[はっ! 早く警察警察!]
龍夜[八枷…]
八枷[なっ!なに!?]
龍夜[ドッキリ大成功〜!]
八枷[………]

パタッ
八枷が布団に倒れた
僕はチラッと顔を覗いてみると

爆睡していた

さーて皆起こしてくるかぁ〜

龍夜[ステル〜紅月〜起きてるか〜?]
……………
返事がない…
流石に女の子達が寝てる部屋に
入るのもちょっとなぁ〜
まぁ自分の部屋で待っとくか〜

自分の部屋で寝てる八枷を
デコピンして起こした

ぺチーンッ!
八枷[イッタッ!]
龍夜[美来〜起きろ〜]
八枷[普通に起こしてよ…]
龍夜[ごめんごめん笑]
さて起きた事だし
2人で待っとくか〜
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
昨日は変な事を思い出しちゃったな…
あぁ最近兄貴どうしてるんだろう
兄貴説教臭いから嫌なんだけど
長いこと会ってないと会いたくなるよね…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
続く
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