青空に似ている
空side
僕たちはいつも一緒だった。
幼稚園も、小学校も…。
中学生である、今でさえ一緒だ。
その日は快晴で、雲ひとつない空だった。桜の淡いピンクと、澄んだ水色のコントラスト。
そんな穏やかな日だった。
そう、その時までは。
ーバタバタバタッ
騒がしい足音がして皆が廊下を見る。
ーガラガラッ!バンッ!
思い切りドアが開いて、教室にいた皆がチラホラと物珍しそうに少女を見つめた。
それは幼馴染の夏だった。
いつも笑顔で、周りから好かれる性格で、足が早く、天文部と掛け持ちで陸上部に入っている。
だが、今の彼女からは、その要素が1つも感じられない。
「夏?…どうした。」
夏の顔は真っ青で、震えていた。
「みっ…美羽がっ…樹とっ」