お嬢様の恋
自己紹介がいつの間にか終わっていた。結局聞いていたのは小早川君のだけ…

担任がクラスを出て行った途端騒ぎ出すクラス｡そんなところはどこの高校生も変わらない｡突然あんりの隣の席の子が話しかけてきた。
「はじめまして。私石崎佐奈。さなって呼んでね」 さなは笑うとすごく可愛い子だった。
｢小瀬谷あんり。あんりでいいですわ｣
話していると周りにいた人も話に参加してきた。
｢あたし大河内美由紀。付属中出身だから分かんないことあったら聞いてね｣
｢神谷美里だよ｣
｢遠野奈美恵｣
｢塩谷亜弥｡皆附属中出身なんだよ｣

ここ桜ヶ丘学園は幼稚舎から大学院まである世間では名の通った名門校だ。だが学校のレベルも高く、お金さえあれば入れるという訳ではない。

通っているのは上流階級の金持ちか秀才かほんの少しの上流階級の真似をする中流階級の人だけ…

佐奈はきっと中流階級…美由紀達のお父さんは皆議員らしい…基本的には附属中出身者は金持ち｡

しかしそんなことは関係なく５人とはすぐに意気投合した。


たわいない話を続けていると､｢あんり?｣と聞いたことのある声が聞こえてきた…。
呼ばれた方を見ると沢山の女子に囲まれて騒がれている人が見えた。
最初はキョトンとしていた美由紀達も声の主が近付いてくるにつれて騒ぎ出す。
｢あんりあの人と知り合いなの?めちゃくちゃかっこいいぢゃん｣
佐奈に言われ顔を見れば、見慣れた顔があった。
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表紙・目次

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