お嬢様の恋

そこにいたのは、小瀬谷拓海…あんりの従兄弟だった。
拓海は、真っ黒の髪にメッシュを入れていて、色黒の顔は従兄弟のあんりでもハッとする程かっこいい。
だから佐奈達が拓海を見て騒ぐのも当たり前だと思っていた。
｢隣のクラスなんだ｡俺も噂聞いて来てみたんだ｣
突然現れた彼を見て驚いた顔をしたあんりを見て拓海はそう言った。
｢噂？何ですの？｣
｢知らない？ハーフの美少女が１組にいるって噂｡しかも小瀬谷グループの会長令嬢。当てはまるのあんりしかいないだろ。｣
そんな噂があったなんて初耳だった。
｢他のクラスの人が来てるのってあんりのこと見に来てたんだ…｣
佐奈が納得したとでも言うように言った。

｢拓海！お前なんで小瀬谷さんと話してんだよ？｣
そう言いながら教室に入って来たのは、結構かっこいい男子達。どうやら拓海の友達らしい。
｢あんりは俺の従兄弟なんだ。あんり､こいつは俺と同じクラスの…｢俺は青龍光輝。｣
青龍君はそのグループで一番背が高く髪の色は金髪に近い茶色でかっこいいけれど近寄り難い雰囲気があった｡

｢俺、華原流星｡｣
華原君は整った顔で美男子といったかんじ。服装も髪色も落ちついていて青龍君とは正反対。
｢永峰翔｡よろしくな！｣
永峰君は見た目は青龍君に似ているが明るく元気で笑顔が可愛い｡

｢藍川慶｣
｢澤村和樹｣
２人とも青龍君に雰囲気が似ていたが立ち居振る舞いは一目で上流階級の人だと分かる程だった。

｢野沢弘樹｣
野沢君は爽やかな外見と明るさでスポーツをやってそうだった。
あとで聞いた話だとサッカー部に入っているらしい。

｢初めまして。小瀬谷あんりですわ。｣

拓海の友達なら仲良くしようと思い挨拶した。

あんりの言葉を聞くと拓海達は｢ぢゃあな｣と言って２組へと帰って行った。