お嬢様の恋
「あんりすごい!あのグループが声掛けてくるなんて」

関心したというように美里が言った。ふとクラスを見渡せば羨ましそうな目であんり達を見る女子が何人もいた。そしてしかめ面をした男子も何人かいた。その中に小早川君が含まれていたことにあんりは気づいていなかった…。

「すごいってどういう意味ですの?」

「あのグループ皆附属なんだけどね…すごい金持ちで…」
「青龍のお父さんは青龍組のトップなの。つまりヤクザなのね…。で華原と永峰のお父さんは大臣で野沢のお父さんは総理大臣なの!」

「藍川と澤村のお父さんは青龍組の幹部やってる。あのグループはあんまり女好きじゃないの。金か顔しか見ないで近付いてくる人が多いから…」

青龍君達と拓海が仲良くなったきっかけはきっと…裏つながり。拓海のお父さんは警視総監をしているからその関係で拓海には裏に知り合いが沢山いる。青龍組とも関わりがあることは簡単に察しがついた。

「そう…。家柄で判断されてしまうなんて、辛いですね…」

あんりは彼らの気持ちに共感して思い詰めた表情になった。自分では気付かないうちに…。

「あんり?あ!…あんりも同じってこと?小瀬谷グループじゃ確かに期待すごいよね…」

急に暗くなったあんりを見て佐奈は一瞬不思議そうな顔をしたが、すぐに納得したというように話した。
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