お嬢様の恋
｢お嬢様大変嬉しそうですね。先程の方は彼氏ですか？｣

あんりが顔を赤くしながら先程のことを振り返っていると急に《運転手の》早川さんに言われた｡

｢彼氏？違いますわ。今日会ったばかりなのよ？でも…素敵な方でしたわ。｣

あんりはうっとりとしながら言った。それを見て早川は

｢お嬢様…彼を好きになったのですか!?｣

と驚いたように言った。あんりは今まで告白されたことは何回もあったが、恋愛感情を抱いたことがある人は一人もいなかった｡だから好きな人なんてできたことがあるはずもない。そのことを、早川は知っていた。そんなこともあり…あんりは、小瀬谷一族中から婚約できるのかと心配されていた。世界トップの大グループであり名門一族である小瀬谷家は金持ちにしては珍しく政略結婚を認めず恋愛結婚をさせていたからだ。

「好きってこのような気持ちのことなんですの？」

人を好きになるという気持ちはあんりにとって初めて感じる気持ちだった｡

｢ご到着しました。｣

気付くとドアが開いたところだった。

｢ありがとう｣

そう早川に言い家に入る。

｢｢お帰りなさいませ｡お嬢様｣｣
たくさんのメイドに出迎えられる｡

いつもと同じ光景なのに何故かあんりは違和感を感じた。
それもそのはず…あんりはすぐに父の怒鳴り声を聞いた…。

｢あんり！どういうことだ！！｣
父のそばでは困った顔した父の秘書がいた。

あんりは何があったのか理解できずぽかんとした顔をしていた。

｢あんり様…実は…｣

困っているあんりを見て秘書は説明を始めた。
その内容はあんりには考えられないようなことだった。
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表紙・目次

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