お嬢様の恋
｢実はですね…青龍組のトップの方がいらしたんです…青龍組は実はジャック様の配下にある組なのですが…それを利用してかお嬢様と青龍組のトップの息子との婚約を頼みに来たんです…｣

ジャックとは世界一と言ってもいいほどのマフィアのトップであり、あんりの父の友人の１人である。
ジャックと彼のマフィアのおかげであんりは小瀬谷家の令嬢なのに誘拐などとは無縁に過ごしていた。
そしてあんりの叔父(拓海の父)である警視総監もまた、彼のおかげで暴力団，暴走族，麻薬密売人を取り締まったりすることができていた。
あんりのことも小さい時から可愛がってくれていてそのためあんりも今では彼のマフィアの誰からも慕われている。

だからあんりはジャックが関わっていることを父が悩んでいることは安易に予想がついた。

しかし…


｢ジャックの配下なら私が断っても迷惑はかからないでしょう？どうしてお父様はあんなに怒っていらっしゃるの？｣

一番の謎はこのことだ。
ジャックよりも上の立場の人ならジャックに迷惑がかかるかもしれないから父が悩み怒るのは分かる。
しかし…今回の話は事情が違う。

｢ジャック様に迷惑はかかりません。御安心下さい。会長が怒っていらっしゃるのは…青龍組のトップが婚約を持ちかけてきたことです…しかもジャック様の御名前をわざわざお出しになってまで…お嬢様とヤクザでは立場が違うのです…それなのにあんな婚約の願いを言ってくると言うのは…｣

｢分かったわ。そういうことなら私は婚約を安心してお断りできますね。…それとね。私好きな人出来たんですの…｣

｢お嬢様にお好きな方が？！となたですか？｣


｢小早川財閥ってあるでしょう？そこの跡取りらしいわ。｣

話しているうちに彼の顔が思い浮かんで来てあんりは顔が熱くなるのに気がついた。

それを見て

｢さっそくパーティーを開きましょうか？小早川財閥の御曹司なら必ずいらっしゃいますよ。なにしろお互いなくてはならない存在どうしなのですからね。お嬢様も今までに何回も小早川家のパーティーに参加なさっていたでしょう？さっそく明日の開けるよう準備します。｣

｢そうね！お願いしますわ。｣


あんりは明日学校が終わった後も彼に会えると思うと嬉しさで飛び跳ねたくなった。
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表紙・目次

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