あの夏の日をもう一度
未来
「健人!無事じゃったか」
神社に戻ると怪我一つ坊さんがいた。
「神琴は?」
「うーん、約束を守りに行ったかな」
坊さんはさっきから神琴のことばかりが気になっているみたいだった。けれど、健人は言葉を濁した。
「疲れたから、帰るよ」
「じゃあな」
健人は神社をあとにした。
「ひっく...ひっく...、だっせぇ俺
泣くとかないわ」
健人は空を見上げた。空一面にはきれいな星空が広がっていた。
「神琴、やっと帰れたんだ」
健人の背中を見守るセムナイはつぶやいた。幸三はただ背中を見つめた。
「さぁ、帰ろう」
「うん」
二人は自分の家へと入っていった。
自分たちが自分たちの行くべきとこに戻っていったのだ。