あの夏の日をもう一度
私と健人はセムナイに内緒で毎日のように会うようになった。
ある日は森の奥で木のみを採ったり、ある日は釣りをしたりと2人で色んなことをした。
とある日、健人はぼそっとつぶやいた
「このまま、ここにいれればいいのに、そうだ。約束しよ!もし、僕が村から居なくなっても僕はまた君にあいにくる。だから、君はずっと待ってるってどう?」
「うん!わかった」
私は理由を聞かなかった。
聞いたら、もうここに来てくれないと思ったから。
けど、このときに気づいてあげていれば、
なにか変わっていたのかもしれない。
少しでも長くいれたかもしれなかったんだ
毎日のように来ていた健人が一週間も来なくなった。風邪でもひいたのだろうと思い気にしていなかった。
けど、そんな日が何日も続いた日の夜にいきなり私を呼ぶ声が神社から聞こえた。
私はすぐに駆けつけた。
そこにいたのは健人だった。
「神琴、神琴ー!会いたいんだ、いますぐ
最後になるかもしれないの。もう会えないから」
健人は泣きじゃくっていた。
私は意味がわからなかった。だから健人のまえに姿をあらわすことができなかった。
しばらくすると村の人がきて、健人を連れて帰っていってしまった。
それから、健人は来なくなってしまった。
健人以外にもちょくちょく来ていた参拝者ももう来なくなった。私にはなにがなんだかわからなかった。
ただ一つわかることがある。
健人は私のもとにはもう来ない。