前編 かすみ草の恋 ー大学生編ー
山田礼二
俺にとって2月は毎年憂鬱でしかない月


バレンタインなんていう酷い風習の
せいで、いつもよりも更に更に面倒な
1日になる。


バレンタインの数日前から
女たちの目つきも変わる。


そんなある日、俺がいつものように
3人組と一緒に歩いていると


俺の前に足を掛けようとして
出してる奴がいた


俺はその足を逆に下から突き上げるように蹴り上げると


その男と一緒にいた男が俺の襟首を
つかみ突っかかってきた


「てめぇ
ふざけた事してんじゃねぇぞ!
ちょっと女にチヤホヤされてるからって
調子こいてんなよっ!!」


途端にユウタロウがキレて


「てめぇこそ、なんなんだよっ!
突っかかってきたのはそっちだろっ!」


と言って、俺の襟首を掴んでる奴に
飛びかかっていこうとしたから


「ユウタロウ…いい…お前は黙ってろ」


と言って、俺は掴まれてる襟首を簡単に
切った


すると
俺に足を掛けようとした男が


「久しぶりだなぁ?山田礼二。
昔っからムカつくくらいスカした
顔してたけど、相変わらずだなぁ
大学の王子様は……」


と皮肉をたっぷり込めて
俺の前に立ちはだかったから


そいつの顔をマジマジと見ると…


思い出した!中学の時のダチが
隣の中学の奴にくだらない
因縁をつけられてボコられて


頭に来た俺は仕返しに行った。


その時のアタマだ。


確か、有坂大輔……


俺のいっこ上で、他はみんな対した事無かったけど、こいつだけは格が違った。


と言っても、10対1じゃ
いくら俺でもボロボロになったけどな
有坂がいなければ余裕だけど…
それくらい奴だけは別格だった。


「お前誰??知らねぇなぁ
お前に似たやつで、いっこ下の俺に
対して10人がかりで向かってきて
俺にボコられた奴なら知ってるけど?」


と皮肉で返してやった


すると、有坂の隣にいた男がまた俺に突っかかってこようとしたけど


「やめておけ
お前の相手になる奴じゃねぇ。」


と言って、その男を止めると


俺の顔の前に1枚の写真をヒラヒラ
させながら見せてきた
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