前編 かすみ草の恋 ー大学生編ー
バレンタイン当日の朝


目を覚ますと朝から甘い香りがしていた


寝室から出てリビングへ下りていくと


「おはよ〜!レイジ!」


ミカが笑顔でキッチンから出てきて
ニッコリ笑った


うん、ミカは朝から可愛すぎる(笑)


今日という日は大嫌いだけど
学校へ行く前のこの時間は
ガキの時から好きだった


お菓子作りの好きなミカは
昔っから、バレンタインの朝に早起きして俺のためにお菓子を焼いてくれた。


俺は甘いものは朝からオッケーって
くらいに本当は甘いものが好きだけど
他の女からのチョコは昔っから
受け取らない。



不可抗力で俺の手元に来たチョコだけでも、すんげぇ量なのに


いちいち貰ってたらヤバイ事になるし
俺が欲しいのはミカのチョコだけだから


席に着くと、ミカはフォンダンショコラと珈琲を持って来て


「レイジ、今年はフォンダンショコラ
作ってみたよ?
バレンタインだから…
レイジはバレンタイン嫌いだけど
私の気持ちだから食べてくれると
嬉しいな(笑)」


「ミカのヤツは食うなって言っても
食うよ(笑)
義理でも他のヤツにやるなよっ!」


「ありがとう〜!レイジ
うん、あげないよ(笑)」


とニッコリと笑うミカはやっぱ
すごくかわいい。


いつもは俺の向かい側に座る
ミカが今日は隣に座ると


ニコニコしながら俺がフォンダンショコラを食べるのを今か今かと待っている。


あ〜ヤバイでしょ…


可愛すぎだって!


俺はミカの方に身体をむけると


「ねぇ、食べさせて…」


と言って口を開けると


ミカはフォークで器用に切って
俺の口に入れた


うん、さすがミカだ!


プロ顔負けの味だ


美味すぎる。


「ミカ、サンキュ(笑)
すっげぇ美味いよ…」


と言って、ミカの頭をクイッと引き寄せて、軽くキスをすると舌を滑りこませた


するとミカが胸をバシバシ叩くから
口を離すと


「はぁはぁ…ちょっとレイジ
私死ぬかと思ったよ…(笑)
レイジがかっこいいから一瞬息するの
忘れて見惚れてたらする
んだもん(笑)」


「ぶははっ(笑)なんだそれ(笑)
どう?フォンダンショコラの味は?
美味いだろ??」


と俺が言うと、ミカはちょっと照れた
様子で


「…甘いね…(笑)」


と、言って優しく笑った。
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