前編 かすみ草の恋 ー大学生編ー
《ミカがピンチ!後ろの扉側》


と女の子の字と思われる字で書いてあった。


なんだっ??


俺は3人にそれを見せると


「やばくないかっ?
それ、ミカちゃんの友だちの
字かもよ?」


「どうやって、ここを出る??」


と、4人で話合っていると


学食の入り口の辺りから女の大歓声が聞こえるような気がする…


俺らの周りの女達が煩すぎて
良くわからないけど…


俺は咄嗟に靴を脱いで


テーブルの上に乗って
ミカがいるであろう後ろの扉側を
見ると、そこにもなぜか女の集団がひしめき合っていた。
女が邪魔でミカがどこにいるかも特定できない。



学食の調度真ん中くらいから
女たちはこちら側に背を向けて
向こうにいるであろう誰かを見てるようだ


まさか、ミカは女から何か言いがかりをつけられてる??


でも、この状況だと俺1人の力じゃ
すぐに向こうに行かれない


俺はテーブルから下りて
3人を見ると


「ミカがいるであろう所にも
女の人集りができてて、ミカがどうなってるか、こっからじゃわからねぇ。
もしかしたら、何か言いがかりでも
つけられてるかもしれない…」


と俺が真剣な顔して言うと


「じゃぁ、ここでのこのことしてるわけにはいかねぇーな」


「ミカ先輩助けなくちゃ…」


「ミカちゃん、人が良すぎるから
お前の変わりにチョコ受け取らされてるとかじゃないといいけど…」


とユウタロウが呟くと


「「「あり得る…」」」


と俺らの意見が一致した所で



俺は素早く時計を外して守るようにして手に持つと、4人一気に立ち上がって女の集団の中にズカズカと歩いて行った


きゃーー


素敵ー!


かっこいいー!!


アイドルみたい!!!


足元は悪いし、腕や首がトシヤみたいに
傷だらけになったけど


構うことなく、俺らは学食の中心あたりまで一気に進んだ



悪いな…みんな…


俺のために揉みくちゃにされちまって…
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