前編 かすみ草の恋 ー大学生編ー
すると学食の中心の辺りで


テッタくんが見覚えのある男たちの両襟を掴み、言い合いになっていた



その周りを男たちが取り囲んでいた。


男の数は10人以上はいる…


「アイリちゃん!!」


と俺が声を掛けると


アイリちゃんがこっちに駆け寄ってきた


「レイジくん!!良かった!!
気がついてくれたのね!!」


「ああ、それより
テッタくんはどうして??
あんな状況にいるわけ??」



「きちんと説明出来る
自信ないんだけど……ダイスケが
来て、今ミカに告白してると思う。
少しの間だけ2人にして欲しいと言われ
テッタが下手な事はしないと約束させて
2人にしたんだけど…ダイスケは昔っからヤンチャで強引な所があるから…
心配で……。
今日はバレンタインだからダイスケだって、1人で行動出来るハズ無いと思ってたんだけど…
この男たちが、ダイスケにまとわりつく女を追っ払ってたみたいね!
そして、私達までも足止めするように言われてたみたい!!
でも、大丈夫!!
テッタは弱くないからっ!!
ダイスケが相手だと心配だけど、こいつらくらいならテッタの相手にならない
1人で充分だからいって!!!」


と、アイリちゃんがまくし立てるように俺の背中をミカがいる方向へ押した


テッタくんをチラッと見ると


テッタくんも一瞬ニヤリと笑うと
頷いた。


「わかったよ!アイリちゃん、ここは任せる。で、ひとつだけ…
ダイスケって???もしかして??」


「有坂大輔っていうの。
テッタは高校からだけど
ダイスケとは私は中学から一緒。
昔から、強くて見た目が爽やかだから
女にもモテた。力が有り余ってるし
喧嘩っ早いの!
悪い奴じゃないけど
強引な所があるから……
多分ダイスケにとってミカは初恋。
だから、暴走してるかもしれない!!
急いで!!」



やっぱり!!


有坂かよっ!!


やべえな!急がないと!!


「ありがとう!急ぐよ!!
それと!アイリちゃん!!ごめん!
この時計持っててくれないか??
トシヤとライタはテッタくんに手ェかしてやって!!ユウタロウは俺が進みやすいように道を作ってくれ!!」


と、アイリちゃんに時計を渡しながら
3人に言うと3人は待ってましたとばかりに黙って、頷くと


ライタがニヤリと笑って男達を見た


「おっ!この前の弱っちい奴らか!
うちのボスから許可がおりたんで
手加減しねぇよ!(笑)」



「俺も久々だな…こういうの。
ウズウズしてくるっ!!
レイジいけよ!!
ミカ先輩を傷もんにする気か?!!」


といって、2人はテッタくんの方へ


そこへ、俺達の前に男が2〜3人立ちはだかってきた


「ここから先は通さねぇ!」


と言って、殴りかかってきたのを
ユウタロウがキャッチして逆に蹴り上げると


「うちのボスが通れないんですけど…
お前らの相手は俺だ
まとまってかかって来いよ。今日は
散々女に囲まれてイラついてた所だ」


と言って、その男達をバカにしたように
ニヤリと笑うと、
俺の顔を見て、首をミカのいる方向へ
クイッと向けた



「サンキュ、ユウタロウ!!」


俺は女の波を押し分けながら
ミカのいる所へやっと着いた






「レイジくん……かっこいい…。
随分と喧嘩馴れしてるんだね……
でも、ダイスケは強敵だよ。
頑張って……テッタでもダイスケと
喧嘩した時はボロボロになって
鼻の骨折ったんだから……
王子様……お姫様をしっかり救出
するんだよ………」
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