前編 かすみ草の恋 ー大学生編ー

さっきの俺のパンチをギリギリで避けた有坂は、今まで喧嘩した奴の中では
1番強かった。


殴っても、地面に叩きつけても
寸での所でダメージを最小限に
抑える。


俺も何発か殴られたがギリギリの
所でかわした。



するといきなり、誰かが乱入してきて
俺と有坂を一瞬で投げ飛ばした



俺は柔道の経験もあって、柔道も
そこそこ強かったから咄嗟に
腹ばいになるとすぐに立ち上がった



どうやら、健夫君が俺らを投げ飛ばしたらしい。


有坂はモロにくらって背中をついて
少しの間立ち上がれない様子だった


てか
健夫君冗談は顔だけにして欲しいぜ
鬼強い。
入ってきたの全くわかんなかった…




そこへ俺が一歩近づくと


健夫君が有坂の腕をグイッと引っ張って立たせた。


そして俺の方を見ると黙って首を横に振って、ミカをチラッと見ると


ミカは目に涙をためながら
心配そうに俺を見ていた。


そして、健夫くんが有坂に向かって


お前の負けだって言うと


有坂はミカの方をチラッと見ると
戦意喪失した。
そして、我に返って暴走した事に
たいして項垂れていた。


ミカに本当すまなそうに謝っていた。


俺の前で堂々と宣戦布告すると


ミカに告白していたけど


ミカはそれをハッキリと断っては
いたが

俺と仲良くするのなら
友だちになってもいいと


お人好し発言をまたしていた。


有坂は、俺と仲良くする気なんか
サラサラない様子だったけど
ミカを恐がらせた手前


その辺は言葉を濁して納めたので


俺もそれには同調しておいた。


ただし、俺はお前と馴れ合うつもりは
さらさらねぇからっ！


向こうも同じみたいだけどね（笑）


しつこそうな男に引っかかったな…


ミカ……



これから先が思いやられる。


俺も口の中を何カ所か切って
実は口の中は血だらけだけど
有坂は瞼の所がパックリ切れてたので


健夫君が簡単に治療していた


ミカを恐がらせた罰と言わんばかりに
乱暴に治療してた（笑）


ざまあみろっ！！と思ったけど、ミカは
心配そうに食い入るように見ていた


その顔を見て、顔を赤くして照れる
有坂まじ消えてほしい…


悪いけど……


はっきり言って、俺とミカの仲を
引き裂こうとする奴に対しては
俺は容赦無い性格らしい…


最近気がついたけど。


ミカの事がたまらなく好きすぎて
ミカもまた俺の事を好きだと言ってくれるし、態度や言動からも伝わってくる。


すんごく幸せで満たされてる反面
3年間もミカと離れていたからか
不安でしょうがない。


それにどんどん可愛くなっていくミカが
いつか誰かに取られるんじゃないかって
不安もある。


もう2度と離れたくないんだ…


たまらなく愛してるから……