前編 かすみ草の恋 ー大学生編ー
中谷が俺らの前にひょっこり現れて



「ああ、何も心配すんな。
それに俺はお前に借りがあるし…
前、ミカちゃんが熱でぶっ倒れた時
俺は自分の事ばかり考えてた。
そんな自分が今でも許せないんだ。
確かにミカちゃんはヤベェくらい
可愛いし、性格も良い子だけどな!
お前の事しか見てないんだもんな(笑)とっくに諦めてるし
今は仲の良い友だちとしてアイリと同じ感覚でミカちゃんといるから(笑)」



と爽やかな顔して中谷が…
いや、ケンゴ君が言った



「ありがとう!ケンゴ君
ミカの事頼みます。でも、有坂と
仲違いすることになるんじゃないの?
ケンゴ君もテッタ君と同じ高校出身で
アメフト部じゃん!
元チームメイトでしょ?いいの?」


と俺が言うと


「まぁな。
俺もテッタや大輔と同じ理由で高校の時にアメフト部に入れられたクチだ…
そんな野郎ばっかの集まりだから
初めは喧嘩ばかりしてたんだ。
その頃に大輔とは散々ぶつかったよ。
タイマンはったわけじゃねぇから勝負がついたわけじゃねぇんだけど…
でもまぁ、やりあったらかなり苦戦すると思う。
あいつは力で人の上に立とうとする所があるんだ…言う事を聞く奴には凄くいい奴らしいんだけど…
そういう所が俺には気に食わないから
殆ど口も聞かないから…
気にする事ないぜ!
それよりも…そこの奴俺の事
知ってんだろ??
中坊の時から変わんねぇな〜
その整った容姿は…(笑)牧口来太」



「えっ??なんで知ってんの??」



とライタが目をまんまるにして
ケンゴ君をジーーッと見ると



「えっ?えっ??たにくん??
レイジ!!たにくんは俺の先輩だよ!
俺が中2の時に引っ越しちゃったけど
すんげえ強くてカッコいい先輩だった!
って、すいません(笑)
今もカッコいいっすけど…昔っから
たにくんの周りは友だちで溢れてた。
女にもモテてたけど…」


とビックリした様子でライタは
叫んだ。


「そうだ…そのたにくんが俺だ(笑)
同じ名字の奴がもう1人いたからな!
なぜか、そう呼ばれてんだよな(笑)
何言ってんだよ?お前のが全然男前
じゃんか(笑)まぁ、バケモンのレイジを前にして言うことでも
ないけどな(笑)」



と言って、ケンゴ君がニヤリと
笑うと俺を見た。



そして


「ライタ
親友のテッタの友だちのレイジは
俺にとっても大事な友だちだ。
その友だちのライタも一緒だ。
昔は先輩後輩だったかもしんねぇけど
そういうの面倒だから取っ払おうぜ?
レイジ、これからよろしくなっ」



と言って、ケンゴ君が手を出して
きたので俺も手を出してその手を
握った。



するとケンゴ君はライタとユウタロウとも握手をすると



「テッタ…もう行こうぜ…
あんまり長居すると女がまたいつ暴走するかわかったもんじゃねぇ…」


とヒソヒソ声で言った


すると、テッタ君が笑いながら


「見てこれ??(笑)
ケンゴも女からすげぇ人気だから
朝からこうなんだよ(笑)
高校の時は大輔派とケンゴ派に分かれてたくらいだぜ。
今日1日気配をずーっと消してんだよ。
休み時間の間中はずっとトイレに篭ってるし…
泣く子も黙ると言われてたケンゴは
実は女が苦手なんだ(笑)
好きになったのもミカちゃんが初めてだし、今だに話せる女友だちはアイリとミカちゃんくらいなんだ(笑)」


とテッタ君が言うと…


「しぃーっ‼︎余計な事言うな‼︎
んじゃ、俺らは行くから!!
オマエらすぐ後ろにいる女たちには
気をつけろよ!じゃーな!
ほら!テッタ行くぞ!
ミカちゃんの事は任された。俺らで
やれる事は全力でやるよ」


と言うと、2人は戻って行った
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