前編 かすみ草の恋 ー大学生編ー
橘美佳
バレンタインの翌日…


いつもならレイジは女の子たちから
揉みくちゃにされてグッタリしてるんだけど…


なんだか私の方が気が重い。


レイジは口の端の傷が
少し青くなってきたけど
見た目はいつも通りのバケモノ
レイジです(笑)


普通にご飯を食べてるけど
口の中の糸が気になるのか
時折気にしてるみたい。顔には出さないけどね(笑)


幼馴染みのミカちゃんを甘く見てもらっちゃ困るよ(笑)


私も口の端が青くなってきたけど
女には化粧という便利なものが
あるのだよ。


うん、ほとんどわからない!


まぁ、レイジのダメージとはワケが違うからね…


普通の女の子の全力なんてこんなもんでしょ。


みんな、叩いた人に対して凄く怒っちゃって大変だけど…


それは間違い。


だって、わざと叩かれるような事言ったんだもん。私が悪いんだけどな〜


今日謝りに行かないと!



頬の腫れは、昨日正人君が見てくれて
翌日に腫れないようにしっかり処置してくれたおかげで



スッカリ引きました(笑)


さて、大学へ行く時間だ。


「レイジ、薬飲んだ??」


「あっ、やべえ忘れてた‼︎」


「薬飲んだら行こう!
ちょっと待っててね!
お水持ってくる!!」


「あっ、わりぃな!」


と言って、レイジは薬を水で流し込むと


「あっ、ミカ…
目に睫毛が入りそう!ちょっと目ぇ閉じてみ??」


「あっ、うん。ありがとう!」


と言って、目を閉じると


チュッとキスされた


「もう、レイジ!騙したの?
抜糸するまではダメだよって
言ったのに…」


「だって、ミカが可愛いんだもん。
しょうがねぇじゃんかっ(笑)
抜糸するまでは舌入れないからっ(笑)
いいじゃんいいじゃん(笑)」


と言って、私の頬をつんつんする
レイジ。

もうっ!反則でしょ!


かっこよすぎでクラクラしちゃうわ。


結局惚れた弱みなんだよね(笑)


私はレイジの大きくてごつい手を
ギュッと握ると


「さて、行きましょうか王子様(笑)」


とニッコリ笑うと、握った手をグイッと引き寄せられ

「俺のお姫様は顔に傷があるくらいじゃ全く見劣りしないや…
うん(笑)今日も世界一可愛い…」


と言ってギュッとされた。


いやいやいや、それは間違い(笑)
レイジの方がカッコよすぎだから!
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