前編 かすみ草の恋 ー大学生編ー
休み時間…


アイリ、テッタくん、ケンゴくんの私で
話していた。


私も周囲に自分の動揺とか、体調とかを
悟らせないのは得意なんだけど
3人も凄く上手かった。


昨日の話は夕方家で話すことになってたけど、普通は気になって聞くよね?
でも3人はそれをしないし


本当なんら変わらずの様子に周りからは見えてるようでホッとしている。


そして、クラスの中にも数人
私を監視するような人がいる事もわかった。彼らは有坂くんの友だちみたい。


私の事をこっそり携帯で撮影したり
してるそう。


それだけはどんなに気にかけても
私には全くわからないんだけど


アイリからメールで入ってきて
テッタくんと中谷くんも黙って頷いたから…


多分そうなんだと思う。


どうして、私って自分の事となると
こうもわからないものか?と今更ながら
不甲斐ないわ。



昨夜、レイジと話した時に
有坂くんとの事は私だけが問題ではないと言っていた。


昔っからの因縁もあって
それにたまたま私が関与してしまった
ために向こうもムキになっているんだって。


私の事を巻き込む形となって
本当ごめんと謝られた。


私は別にどうなったって構わない。
みんなが無事で笑っていてくれたらと
思っていたけど
そういう問題でもないみたい。


もちろん、レイジは私の事を気にかけて
言ってくれてるのもわかるけど
レイジは嘘は言わないから。


とにかく私は
みんなが勝つって信じてるよ。


そして、レイジから離れないんだから!


そう考えたら自分でもスッと肩の力が
抜けたの。


だから、こうして皆といれば
不思議と全く不安に感じない。


でも、その直後に起こった事は私にとってはビックリ以外のなにものでもない
光景だった。






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