前編 かすみ草の恋 ー大学生編ー
「ミカ!そういえばさっきケンゴに
付き合って欲しい所があるって言ってたじゃない?どうしたの?」


「あ、あのね、昨日バレンタインだったでしょ?帰りがけにレイジ達をどうしても健夫くんの所へ連れて行きたくて、女の子達に酷いこと言っちゃって…
それで…この顔はその中の子にやられたの…」



「はぁっ?!なにそれ!!
どこの女??私が文句言ってとっちめてやる!!
ねぇ、その健夫くんって昨日の人??
すっごいイケメンの??」



「ち 違うのっ!私がいけないの…
叩かれるように仕向けたの。なのに
その子に批判が集中しちゃったから
謝らなくちゃと思って…
そうだよ?健夫くんは昔っからすっごくかっこいいよ(笑)」



「本当にっ!ミカのお人好しは
筋金入りね!!そんな必要ないじゃない
可愛い顔にそんな傷つけたんだから…」



「ほら、みんなそうやって私を擁護するでしょ??私としては叩いてもらって助かったのに…
そうでもしないとレイジは健夫くんの所へは行ってくれなかったのに…
健夫くんは、医者なの。
なんならもっと強くやってくれたら良かった。そうじゃないと、あの子が浮かばれないよ…」



「ええ!あの人お医者さんなの??
あんな人に見てもらったらクラクラしちゃう(笑)
ああもう!わかったわよ!
テッタ、今何分??」


アイリ……(笑)



「ああ、40分。次の授業までまだ
20分あるぞ。」



「ミカちゃん行く??ついて行くよ…
テッタもアイリも来いよ。
どこの学部かわかってるの??」



「ありがとうケンゴくん。うん。
鈴木さんが前に話してた子だから
さっき聞いといたの。
情報処理科にいるみたい。」


「じゃあ、すぐ下ねっ!いこいこ!」


と、言ってアイリが私の背中を押しながら私たちは教室を出た
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