前編 かすみ草の恋 ー大学生編ー
下の階へ行くと

教室の中でザワザワしていた…


私は昨日迷惑をかけてしまった子を探そうと思って、教室の中を見渡すと


数人の男の人たちが円になっていて
誰かを取り囲んでいる。


それを周りの人たちは見て見ぬ振りをしていた。


「この女かぁっ!!大ちゃんの女に
手を上げた女はっ!!」


と言って
1人の男の人が威嚇するように叫ぶと
中心にいる人を突き飛ばした


すると円が崩れて中の様子があらわになった。


女の子が突き飛ばされて踏みつけられている。


あの子っ!!
昨日私を叩いた子じゃない!!


なに?


何が起きてるの??


それを高みの見物とばかりに机の上に
腰をかけて腕を組んで座ってる人…


「ダイスケ…」


アイリが呟いたと同時に私はいてもたってもいられなくて、その子の所に
駆け寄ろうとしたら


ケンゴくんが
私の腕をガシッと掴むと


「ミカちゃん…俺が行く。」


「で でもっ!私黙ってられない!
女の子をあんな大勢の男の人が…
信じられないっ!!」


と、訴えると


「わかった…じゃぁ、俺の後ろから
ついてきて…テッタいくぞ」


と言って、ケンゴくんがテッタくんに
声をかけると
いつもの優しい顔とは思えないほど
怖い顔になったテッタ君が頷いた。


「大丈夫よ、ミカ…
テッタとケンゴに前はまかせて!
なんか長い棒ないかな……?
あっ、これでいーや!
さっ!ミカ行くわよ(笑)」


アイリは廊下においてあった
デッキブラシを持つと


ニッコリ笑って、私の横に並んだ
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