前編 かすみ草の恋 ー大学生編ー
考えこむようにして黙り込んでた
明夫君が閃いたとでも言うように表情を明るくさせて



俺から聞いた話から倉庫の様子を
図に書いたやつを見ながら話はじめた。



「あっ!そうか!!
赤木さんと水戸君とは
顔見知りじゃないかっ!
上手く言えば大丈夫だなっ(笑)」



「どうしたの?明夫?
そんないきなりテンションあがっちゃって……」


「いや、無職になったら舞の道場でも
手伝っていかなくちゃなって思ってただけなんだけど…
礼二!ミカ!
お兄ちゃんに任せときなさい!!
お兄ちゃんも手伝う(笑)
30代後半ですけどなにか?(笑)
いや、赤木さんの立てた作戦は凄く
いいんだけど…
どうしてもやっぱあと1人足りないと
思ってたんだ。
有坂と遠藤組の幹部の奴らが待ち構えてるのが倉庫に2人、前に3人、中に4人
奥に2人だったよな?
てことは、必然的に中から奥の方にかけて1人あたまの雑魚を倒す負担が増えていくって事だろ?
前から突破して初めは全員で雑魚払いしながら、
前で離脱する奴を残し真ん中まで進み
真ん中で4人も離脱して
最終的に2人で奥まで進まなきゃならない。
まぁ、確かにお前たちを食い止めるのに
真ん中にたくさん人を置くだろうな。
有坂はなかなかの策士だ…
赤木さんはわかってるはず。
本当は自分が礼二とトシヤについていければ策は立つと思ってるはず。
でも、こっちとしてはミカを取られるのはかなりの痛手になる。
頼りの礼二が不能になるし(笑)
指揮も下がるし
有坂が笑って
こっちが泣くことになる。
それだけは避けたい赤木さんは
ミカについて回る事を決意したんだ。
だからお前たちに多少の傷は
勘弁してと言ったんだろうよ。
礼二とトシヤが奥に着くまでには
そこそこ消費してしまうってわかってるはずた。それでもお前たち2人を信じて任せるしかないからな…
でも、俺が入ればそうはならない。
お姫様を救うのは王子様の仕事だ礼二。
それぞれのボスを倒すのはお前たち
チームの仕事だ。
俺が徹底的に雑魚除けしてやる(笑)」


「いいなぁ〜!!兄貴!!
俺もうずいてくる!!
やりてぇよ!!久々に!!
でも礼二、兄貴が入ったら百人力だぜ?
兄貴はこの俺よりもつえーよ?
多分お前よりも……良かったな!
礼二!!(笑)」


健夫君が興奮して喜びの声をあげた。


てか、明夫君って俺からすると
謎だらけ…


ガキの頃から全く見た目が変わってない


30代ではあると思ってたけど
健夫君と同じ年くらいにしか見えない。
いってて、20代後半くらいだろうか?


健夫君同様のバケモノみたいな容姿とスタイルで頭もキレるけどシスコン(笑)


そして、健夫君が俺よりも強いって
いうなら多分間違いないと思う。


健夫君も鬼強かった。
でも、柔道ならな!って言ってた。
俺はいろんな事を自分が納得する程度
には極めてる。喧嘩なら負けた事ない。
タイマンもゴチャマンも得意だ。
総合的に見たら健夫君は俺に負けるって言ってた。あの人は嘘は言わない。


ということは明夫くんは
バケモノの界の大魔王ってところだな…

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