前編 かすみ草の恋 ー大学生編ー
2人の小競り合いを見たからか
みんなちょっと不安があったようだけど
一様に気分が上がってきたのがわかる。


明夫くんはそういう所も上手いんだ。


多分ここで見せたのも


不安を抱える皆の気分を上げるためと
明夫くんの戦力がどれほどのものか
わからせるため。


そういう所は確かに凄い!!


カッコ良くて強くて賢くて優しくて
明夫くんは私にとってとても自慢の
お兄ちゃんだ!!


もちろん、健夫くんもだけどね(笑)


健夫くんだったら、あそこで一発
大声で怒鳴って皆の空気を変えるんだろうけど(笑)


みんなやる気を再び目にも宿して
帰って行った。


明夫くん…ありがとう!


みんなが帰った後


レイジはまたソファに座って
ブツブツと言い始めた


「んったく、あの兄弟は本当
見た目もそうだけど、強さも
バケモンだなぁ…」


「ふふふ(笑)そうだね!
でも、皆が言ってた通りレイジも
だけどね(笑)」


「あっ!ミカまでそういうこと
言う!!あの二人に比べたら
だいぶマシだろ??」


「そっかなぁ?
惚れた弱みってやつかな??
レイジしかそういうふうに見れないんですけど……(笑)」


するとレイジはニヤッと笑うと


「そっかそっか、ねぇミカ?
こっちおいで〜!!」


と言って両手を広げてきたので


私はレイジの上に飛び乗ると
隙間が無いくらいに強く背中に手を回し抱きついた


「ちょ ちょ ちょっと!
ミカ、背中大丈夫なのか??」


「えっ?そう言えば…痛み止めも
飲んでるからかなっ?
固定してるおかげかな??
だいぶ痛みが引いてきたよ?
あんまし、気にならない!!!
さすが、櫻井先生!!!(笑)」


凄い凄い!!


私はテンション上げ上げで
レイジの胸に顔を埋めると


「ふーーーん、櫻井先生ね……」


と言って私を抱きしめ返しながらも
ちょっとトゲのある言い方で言うと


「ねぇ、ミカ?こっち向いて??」


と言うのでレイジの顔を見上げると
私の顔を両手で支えるとジーーつと
見つめてきた


ん?


なに??


私は首を傾げると


レイジはフッと笑って


「俺のミカだ……(笑)
すっげぇカワイイ………」


と言うと深い深いキスをされた
間髪入れずに角度を変えては
くるキスに意識が遠くなってきて
ボーッとしてきた所で離れると
うっすら茶色い瞳で真っ直ぐ見つめられ


「ミカ、俺を好きになってくれて
ありがとう!全力で守るから…
だから、ミカはずっと俺の事を
好きでいて?小さい頃から
ミカしか見てないんだ…
俺には後にも先にもミカしか
愛せない。」


と、レイジは言うと私をギュッと
少し力を込めて抱き締めた。


思わず、鼻の奥がツンとするほど
レイジの想いが伝わってきて
私もレイジにしがみつくように
抱きついた。


「レイジ……愛してるよ……
たまらなく…」


どうしたらこの気持ち全部伝わるかな?
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