前編 かすみ草の恋 ー大学生編ー
山田礼二
講義が終わると俺は急いで
ミカの教室へ向かった
なぜかダチも3人ほどついてきてる…


朝、ミカから中谷の話を聞いて
本当ビックリしたし…
自分に好意を持ってる事にすら気がついてねぇし……


中谷はイケメンで
周りにいつも友だちが集まるような
タイプだ。


頭もきれそうだし
モテるだろうな…


昨日ミカに迫ったナルシスト男とは
格が違う強敵だ!


てか、俺にとったら全ての男が敵になるかも。


校舎も違う、学部も違う
なんの接点もないのにミカの噂は
こっちまでもちきりだからだ


美人でモデルみたいな子がいると…


高校からの悪友のトシヤも
ミカ崇拝者だし…


トシヤとは校舎は一緒だけど学部が違う


でもなにかと俺の教室にやってくる。


同じ学部内でも数名気の合うダチも
出来たし学校生活はまぁ普通に
充実してる。


別に目立ちたいわけじゃないんだけど
この容姿のせいで
いつも目立っちまう。
新しく出来たダチの
ユウタロウとライタも
かなりの色男なのもあって
余計に目立っちまう。


黙ってればトシヤだって…
経済学部一のイケメンって言われてるくらいだからな…


なんでダチが3人もついてきてるかと
いうと


つい何日か前の
昼休みにユウタロウから


「外国語学科の2年にモデルみたいな子がいるって噂になってるじゃん?
この前たまたま見かけたんだけど
ヤバイぐらい美人で可愛くてさ!
彼女いなかったら惚れてたよ!!
あんな子が毎日隣にいたら
俺カラカラに干からびるまで
離さないだろうな…(笑)」


最後の方は若干下ネタ入ってたけど…


ブフッ
思わず食べてるもんを吹き出す


「おい!レイジ大丈夫か?
へぇ〜
そうなんだ?(笑)
俺も見てみたい!!
そして俺はフリーだから
狙っちゃおっかな(笑)」


「えっ?
それって、み み」


バシッ


「いってぇな!なにすんだよ!
レイジ!!」


「うるせー!
トシヤは黙っとけ!!」


「ライタ…
ミカは駄目だ。ミカは俺の女だ…
てか、ユウタロウ…
俺の女で変な事考えんなよな」


「あの子、レイジの女だったんだ!
あれはスゲェなぁ〜
まぁ、お前のその顔なら
どんな女でも落とせるだろうけど」


「ミカ先輩はそんな子じゃないって!
美人で可憐で純粋で優しくて笑顔なんか華が咲いたように可愛くて
中身もすげぇ良い子だから!
なっ、レイジ!」


「てか、てめぇが言うな」


「お、おい!
俺だけその子の顔知らないのは嫌だ!
近々見せろよ!」


「惚れないならいいよ?」


「他人のもんに手を出すほど
餓えてねぇし…」


「いいなぁー
俺もミカちゃん?
と話してみたいな!」


「ユウタロウは駄目!
ミカで変な想像したから!」


「それは男なら誰だってそうだろ?
あんな子目の前にしたらさ〜
でも俺は彼女いる時はよそ見しないから大丈夫(笑)」


「俺も!ミカ先輩なら
いつでも会いたい!(笑)」


「ふざけんな!」


こんなやり取りがあって
ミカと中谷問題もあって
3人は後ろからニタニタしながら
ついてきてるってわけ!


んったく!
俺の女だかんな!!


俺は自分が注目を浴びる容姿ってのを自覚してるからいいんだけど


ミカはしてない。


影で男達がこんな話してるなんて
想像すらしてないだろうな


ミカは今やこの大学で知らない人は
いないくらいの美人だと思う


俺だけのミカなのに、ユウタロウだって
あんなこと言うくらいだから
他の男の夜のオカズにも
されてるだろうな…
んっとに本当胸くそわりぃ!!
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