前編 かすみ草の恋 ー大学生編ー
上に上がる専用エレベーターの近くで

「あれ?ミカ??」

とミカを呼ぶ声がしたので
全員で振り返ると

そこにはミカのお父さんが…

「正人くん…
こんにちは!すみませんっ
熱を出しちゃって、健夫くんに
見てもらっちゃった‼︎」

と笑ったミカ

あの人はテンさんの父親かっ!
確か一卵性と言ってたな!
ヤベェ
瓜二つじゃん!
声も体格もあの格好良さも
全部まんまじゃん!!

ミカはどこで見分けつけてるんだ?

心配そうにミカの側に寄って来て
ミカのおでこに手を当てた
テンさんの父親。正人さん?


おいっ!
テンさんの父だからって
ミカの叔父だからって
ミカに触るなよなっ!


「38度2分ってところだな…」

すげぇー!
触っただけで一発で体温当てやがった!

「うん。
それで、今日テンちゃんが泊まらせて
くれるって言ってくれてね?
だからお世話になります!」

とミカが頭を下げると

正人さんは穏やかに微笑んで

「そうするといいよ?
ん?君は……
どこかで見たことある顔だなと
思ったら
もしかして裕人の家の
近くに住んでる?」

裕人?
ああ!ミカのお父さんね!

「あっはい。」


「5年くらい前に裕人ん所に行った時に
裕人ん家で見かけたんだけど…
凄い整った顔してるから
よく覚えてるよ?
ミカと仲がいいんだね?
よろしくね!
裕人達が戻ってくるまで
よろしく頼むよ??」

と言って俺の肩をポンポン叩いて
正人さんは行ってしまった。

正人さん、良い人だな…

ミカのお父さんもミカ命の部分を
抜かせば凄く良い人だけどなっ!


そして、専用エレベーターで
テンさんと健夫君の部屋まで
上がった。
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