前編 かすみ草の恋 ー大学生編ー
安藤家に入ると

とりあえず、ミカをリビングのソファに
座らせると

健夫君が薄い掛け布団を持ってきて
くれた

それをミカの膝にかけてやると

「ありがとう…」

と言ってニッコリ笑った

熱のせいか頬が赤く染まってて

かわいい

たまらず、俺はミカの頬に手をやると
俺の手が冷たかったのか


「レイジの手…きもちいい」


うわぁ〜

今すぐ連れて帰りてぇよ!

でも我慢だ我慢


「ミカ…
蜂蜜レモン作ったんだけど飲める?
温まるから汗もかくし
熱早く下がると思うよ?」


「うん。飲む…」

「はいどーぞ(笑)」


「ありがとうテンちゃん」


しばらくの間3人でゲラゲラ笑いながら
話してるのをミカは黙ってニコニコ
しながら聞いてた


そして気がついたらソファで
寝てしまっていたミカ。


健夫君が客室に運ぼうとしたので
阻止して俺が運んだ


後ろの方で


「ああいう所健夫そっくりね(笑)」


とテンさんの声がしたけど
聞こえないフリをした。


そして、ベッドへ寝かすと

ミカの口にそっと口付けした


軽くじゃないと
止まらなそうだから(笑)


ミカの髪を撫でてもう一度
キスをして部屋から出ようとしたら


部屋の入り口の所で健夫君が見ていた
そしてフッと笑って

「大丈夫だ…
礼二のお姫様は、俺等のかわいい
妹だ(笑)
今日は天に任せてお前もゆっくり
休めよ。
お前も大学からここまでミカを
抱えて来て疲れたんじゃないか?」


「いや、俺は大丈夫です。
ミカをよろしくです…」

とミカを起こさないように小声で言った


そして俺はテンさんに何度も頭を下げて
健夫君と一緒に病院へ戻って


ミカの家へ帰ってきた


俺の家は電気も水道もガスも
止まってるからな


テンさんが用意してくれた夕食を
温めて食べた後

風呂に入って

課題をこなして

ミカの枕を抱きしめて眠りについた


ミカ、明日速攻迎えに行くからな…

早く良くなれ…



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