前編 かすみ草の恋 ー大学生編ー
「この写真を是非今年の冬の
我が社の顔にしたいんだ。
お願いします…」


とKentarou Okanoが俺らに頭を下げた


黙って話を聞いていたミカが


「あの…顔ってなんですか??」


「あああ、日本、いや世界中の
Kentarou Okanoの店に張り出すんだよ
大きくねっ!
ミカちゃんだっけ?
君は透明感があって
変に色が無い子だから
少し色を加えるだけで一段と美しくなるね!素材も素敵だし…
パリコレモデルには身長はたりないけど日本やこういったファッションブランドの専属モデルには
最高の逸材なんだよ?
この満面の笑顔の写真なんか
黒いドレスでセクシーなハズなのに
幼さも出てて最高に美しいよ
ドレスも引き立ってるし……」


「えっ?
私にモデルになれって事ですか?」


「是非!2人にうちの専属モデルになってもらいたい…やってくれるかい?」


「ええーっ!レイジはともかく!
私はそんな…無理です!!」


「ミカちゃん…
ミカちゃんなら出来ると思うけどな?」


おいおい、母さんまで!ミカが
困ってんじゃねぇかよ!


みんなして俺らにモデルになれだと?


俺だって嫌だよ!


俺は見せものになるのは嫌なんだ!


両親がそういう世界で生きてるからか
小さい頃からそういう話を腐る程されて
街を歩いてれば名刺を貰い…
本当に嫌なんだ!


だから勉強して難関大の法学部に
入ったんだ!
ここに入ればミカとも一緒になれると
思ってたし…



「嫌だよ!俺は見せものには
ならないって決めてるんだ!
ミカを人目にさらすのも嫌だ!」


と言ってミカの肩を抱く
< 61 / 267 >

この作品をシェア

pagetop