前編 かすみ草の恋 ー大学生編ー
教室へ入ると、ユウタロウとライタが
ニヤニヤしながら近づいてきた。


こいつらとトシヤにはモデルの話を
していたから。


「おいおい、見たぜ(笑)
ミカちゃんめっちゃセクシーで
すんげえスタイルもいいし
超かわいいじゃん(笑)」


と俺の肩を組みながらユウタロウが言った。


「まぁな、ミカはかわいいけど
それがなにか?」


と軽く睨みながら言うと


「ミカちゃんが酔っ払ってる事を
いい事に、レイジもちゃっかり
腰なんか抱いちゃってぇ!
このこのぉ〜!(笑)」


と茶化してくるライタ。


てか、お前はガキかっ(笑)


それ以上の事俺らはしてるけどなにか?


2人の軽いノリを鼻であしらいながら
相手をしていると



女子の集団が俺らを囲んだ
そして、その女子の集団を束ねる気の強そうな女が俺に切り出した


自分の事がかわいいと勘違いしてる
厚化粧の女だ…


「あのっ!山田くん。
今日、広告を見たんだけど…
あの人って外国語学科2年の
橘美佳だよね?」


「あっ?そうだけど何か?」


面倒くさそうに答えると


「どういう関係なの?」


「見てわからないの?
付き合ってるんだけど…」


「いつから??」


「この学校に入るずっと前から」


「それは嘘でしょう?
あの人はアメリカのニューヨークにある
名門のR大学から編入してきたって聞いたもん」


んったく、うぜぇな


いちいちうるせーよ


「ああ、そうだけど?
ミカはアメリカの日本大使館にいる橘裕人大使の娘だ。3年前から赴任してる。俺とミカは幼なじみで
生まれてから、その3年前までずっと
一緒だったんですけど。
ミカがアメリカに行く前から付き合ってるからっ!それがなにか?」


んっとにかったるいっ!


「そうなんだ……みんな聞いた?」


とその女はたくさんの女達を見回して言った。


無言でみんな頷いた。


んだよっ!まさか、ミカに嫌がらせする気じゃねぇだろうなぁっ!


そんな事したらタダじゃすまさねぇ!


女だからって、俺が何もしないと思ったら大間違いだ!


ミカに何かあったらお前らみんな
血祭りにあげてやるかんなっ!




だけど、全くもって予想外な事が起きた


その女も周りの女集団も
急にニコニコ笑いだし


拍手をはじめた。


パチパチパチパチッ


黙って聞いてたライタとユウタロウも
目を丸くして見ていた
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