前編 かすみ草の恋 ー大学生編ー
「レイジ〜!なにやってんだよ〜!
遅いと思って来て見たら
ミカちゃん触りたい放題
触りやがって〜(笑)
俺もミカちゃんに触りたいっ!」


ライタの声に振り返ると
3人組が俺等のすぐ後ろに立っていて…


「おいっ!このすんごい
かわいい女の子は誰だ〜?!
ミカちゃんでも目の保養に最高だけど
この子もすっげぇ〜!」


ユウタロウ……


お前は相変わらずだな……


「あっ!この人!
レイジのスーパー姉ちゃんだよ!!
お久しぶりです‼︎トシヤです!
でも、俺はミカ先輩が1番です‼︎‼︎
ミカ先輩〜!今日もカワイイです!」



「うっせぇ、お前は黙っとけ!」


「ああ〜!トシヤくんね!
久しぶり〜!!
いつもバカな弟がお世話になってます!
来年から万里がトシヤくんと同じ学部で
同じ学年だから、よろしくねっ!
てか、レイジ!いいかげんミカを離しなさい!!」


と姉貴はトシヤに頭を下げた後
俺とミカを引き離した


「さすが、スーパーお姉ちゃん!
俺の苦労がわかってくれてる!!
今井先輩ですねっ?こちらこそ
よろしくっス!!(笑)
お姉ちゃん聞いて下さいよ〜!
俺いっつもレイジに暴力振られるし…
ミカ先輩を独り占めしてるんですよー!
俺だってミカ先輩の
大ファンなのに!!!」



それはテメェが俺のミカにちょっかいかけるからだろーがっ!



「そうよねっ?!!
大体からレイジはいつもミカを独占してるくせに、私とミカとの時間までも
ついてくるのよっ!冗談は無駄に良い
見た目だけにして欲しいわよっ!」


はぁっ?!!
見た目とか関係なくねぇ?!!



それにいつも姉貴が!!
俺とミカの中にズカズカ入ってきて
ミカをかっさらうんじゃねぇかっ!



「ですよねぇ〜?
レイジのお姉さんっ!!
ミカちゃんはみんなのモノで
良いと思いませんか??
なんなら
お姉さんでも俺は大歓迎です!!
俺はライタです!今フリーなんで
よろしくお願いしますっ!!」


「いや、それは無理よ!ライタくん。
私は既婚者で子持ちよ!
それと、ライタくんもなかなかだけど
ミカくらいになると………
ムカつくけど、この馬鹿な弟が
1番しっくりくるってもんなのよ!
ムカつくけどね(笑)」



「人妻…子持ち…危険なワード(笑)
俺の大好物だ……」



「ユウタロウ…おまえ、それ
兄貴が聞いたらぶっとばされるぞ?!」


なんて言っても全く気に留める
様子もなく


ミカと姉貴を見ながら
デレデレしてるライタとユウタロウ…


トシヤに関してはミカしか
見てないけど…


なんか…


だんだん収集つかなくなってきたぞ!



ミカはコイツらの
目の保養にされてるのを
全く気付いてない様子で


アイリちゃんと話し始めた


アイリちゃんはチラチラと
3人を気にしながらミカを見ては
軽くため息を吐きながら


「はぁ〜 ミカ…鈍すぎる…」


と言いながらも
諦めた様子で楽しそうに話はじめた。



するとここでやっと!
最高の助っ人登場〜!!


「おいっ!リンカ!!
ここにいたのかよ〜!
電話しても出ないし
探しまくった!!」


と爽やかな笑顔で現れて姉貴の
横に腰掛けたのは


今一番会いたかった兄貴


「えっ?電話した??
ごめんごめん!!」


「ミカちゃん、こんにちは(笑)
レイジ、邪魔して悪かったな(笑)」


と兄貴が悪びれた様子は特にない
感じでニカッと笑った


はぁ、なんだかんだで助かった…


「だ 誰??この人…
あっ!この人知ってる……!
昨年、経済学部にいた王子様だ。
レイジくんと並ぶと脅威だわ…
あ〜今日の私は
いい意味でも悪い意味でも強運だわ!
嬉しいけど、頭ん中パンク寸前…」


とテーブルに手をつきながら
顔を真っ赤にして項垂れるアイリちゃん


まぁ、兄貴も健夫君ほどではないけど
普通じゃまずあり得ないくらいの
超イケメンだからな…


健夫君…あの人は殺人兵器ばりの
顔してっからな(笑)


自分で言うのもなんだけど…
アイリちゃんは健夫君と俺が目の前に
同時に現れたら
本当にぶっ倒れそうだな……


アイリちゃんの慌てふためく様子を見てミカと姉貴は目を合わせて
クスクス笑ってる。



「ふふふっ(笑)
アイリって…わかりやすい!
カワイイなぁ〜本当(笑)
万里くんは、リンカの旦那様だよ!
万里くん、この子はアイリ。
リンカが入ってきたら、私とアイリで
守るから安心してねっ?」


「今井万里です。よろしく。
うーーん……
ミカちゃんにリンカを守れるのかな?
相変わらず、ミカちゃんの周りはいつも
賑やかそうで…
レイジは苦労してんなっ!(笑)」



「「やっぱ!そう思う??」」


とまたまたアイリちゃんとセリフ
丸かぶり。


「大丈夫です!!今までずっと
リンカは私が守ってきたんだから!
普通の男の子よりは私頼りになると
思います!!(笑)
あっ!またレイジとアイリ
かぶった!(笑)
どこまで息ピッタリなの!!(笑)」



と言って、ミカが無邪気な顔で
笑うから


周りはミカの笑顔に釘付けになって
ボケーっとして見てる…


すかさず、俺が周りに睨みをきかすと
視線は逸らされた


ねぇ、ミカ
その笑顔は俺の前だけにしてくれない?



「レイジ……
お前の苦労が痛いほどわかるよ…」


と、心底同情した顔で言った兄貴



兄貴〜!!
わかってくれるのは兄貴だけだっ!
< 96 / 267 >

この作品をシェア

pagetop