桜の木の下で
メールの送信元には「長谷川直」の文字。

直くんからメールの返事がきた。

そしてメールの文章を読むのにとても緊張した。

社交辞令的な文章しか入ってないかもしれない。「昨日はお疲れ様。また飲みましょう」なんて１文しか入ってなかったらちょっと凹むなぁ・・・。

おそるおそるメールを読み始めた。

「昨日はお疲れサマでした。俺もすごく楽しかったよ。結ちゃんはタメだから話しやすいよね。俺ももっと話したいと思ったよ。また今度飲みに行こう！」

嬉しい、嬉しすぎる。

メールの返事がきたコト
楽しかったって言ってくれたコト
また飲みに行こうって言ってくれたコト

そして何よりメールに「結ちゃん」って名前を呼んでくれたコト

あまり長くないメールの文章を何度も何度も読み返しては、顔が自然にニヤけてしまうのを必死で抑えた。

直くんにもう一度会いたい。
直くんのコトもっと知りたい。

そんな気持ちがどんどん膨らんでいって私の心の中を支配していった。

まだ一度しか会ったことがないのに。

直くんのコトが好き・・・という気持ちとはまだちょっと違う。

ただもう一度会いたい。もっと知りたい。

飲みに行った日にした会話を何度も何度も繰り返し思い出していた。

そしてその日からお互いメールをするようになっていた。
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