夏目くんと恋愛中
「俺ね、きっと夏目を好きな中村さんを好きになったんだと思う。真っ直ぐで、いつも夏目しか見てなくて。どうしてそんなに好きになれるんだろうって見てた」
なかなか泣き止まない私を気遣ってか、優しく背中をポンポンとしてくれる小林くん。
そんな小林くんに、余計に涙が出てくる。
「そしたらさ、あの子が俺を見てくれないかな、っていつの間にか思ってた」
はは、っと力なく小林くんが笑った。
「委員になれた時は嬉しくて、これがチャンスだって思ったくらいだった。卑怯かも知れないけど、夏目とギクシャクした中村さんを見て今しかないって思ったのかも」
"ごめんね"と、小林くんが囁くように呟く。
私は、首を降ることしか出来なかった。