夏目くんと恋愛中


自分が何を言ってるのか、分かってる。


だけど、悔しいんだよ。


私だってお見舞いに行ったのに、覚えられていなくて。


その程度なんだって知らされているみたいで、嫌だ。


それならいっそうのこと、私に刻み込んでくれればいいのに。


そのキスは、凛ちゃんじゃなくて私となんだって。


今度は風邪のせいにできないように。


「馬鹿だね。後悔するよ?」


「それでも、いいよ」


きっと後悔する。


キスなんてしたら、もうこの思いは無かったことには出来なくなって、ずっと夏目くんを好きな気持ちだけが積もっていく。


だけど、それでもいい。


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