夏目くんと恋愛中
「気づいたら、お母さんが向こうから走って来てた。それを見たら、何かが吹っ切れたみたいに泣ながらお母さんのところに走ったの・・・」
その男の子にお礼を言おうと思ったけど、もう姿はなかった。
「・・・いい話だね」
「うん。だけど、なんだか狐につままれるみたいな気分だったんだよ?」
「あはは!つままれたのかも知れないよ?」
「・・・小林くん、本当にいい話だと思った?」
「ごめんごめん。けど、その出来事で中村さんはここを知れて、俺は今日連れて来てもらえることが出来たってわけでしょ?それって、すごい事じゃない?」