黒王子×泣き虫姫


「そっかそっか、んで、その犬キミ家で飼えないの?」

「……あ、はい。飼えません。」


すると、先輩は少し顔を悩ませて、



「うーーん、そっかあ、じゃあ捨て犬飼ってくれるかこの辺回ってみるよ。」


そんなことを言い出した。



「えっ、じゃああたしも一緒に……っ」



「いーの、キミ、これから入学式でしょ?ホラ、行きな。」



先輩は手をヒラヒラさせ、


にっこりと笑った。



このとき、あたしの胸の鼓動がドクンとなったのに、あたしは気付いた。



「そ、それじゃあっ…あ、ありがとうございますっ…」



そう言い、その場を去った。

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