しるばーりんぐ
それからほとんど毎日同じ時間に電話がかかってきた。最初は"はい"とか"いいえ"とかしか言えてなかった私もだんだん喋れるようになっていて、いつの間にか"楽しい"とさえ思いはじめていた。
チャラチャラしてて遊び人っぽいなぁと思っていた第一印象も、今では明るくて友達の多い人に変わっていた。




この時気付いていたら…私は大事なものを失わないでいれたのかな?




「…それ恋じゃん?!」
楽しそうに言ってくる結菜に私は慌てて訂正した。
「ちっ違うよ!友達だって!」
「慌ててるところが余計怪しい!それに…いつもその人のこと話す時、希美すっごく楽しそう」
「"いつも"って…私そんなに話してた?!」
そんなに頻繁に話していたつもりはなかった私はすごく驚いた。
「…気付いてないとか…重症」
呆れたような声で言ってくる結菜。
「やっぱ…恋なのかなぁ…?」
私も薄々気付いていた。ただ…初めての気持ちだからよく分からなかった。
「恋だよ!恋!!頑張りなよ〜?」
嬉しそうに言ってくれる結菜を見て、本気で頑張ってみようと思った。
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