あなたに出逢えた

転校してしまう前に、私は二人に恩返しがしたいと思った。でも、何がいいだろう？私は、二人の好みを知らない。でも、今聞いたら不審に思いそう。



「……うーん。どうしようかなぁ……」



「何をどうするの？｣



「えっとね、実は……って莉音っ！」





私は、今自分の考えていたことをうっかり言いそうになってしまった。





あ、危なかったー……。






「で、何を悩んでいたの？栞菜」


いやいや。言われても答えられません。サプライズってことにしたいから……。莉音にも宮野にもありがとうって気持ちを自分の力で返したい。今回は、自分でどうにかしたい。




「……ちょっとね。転校するってことで環境が変わっちゃうから、うまくなじめるかなって思って」




私は、もう一つの方の悩みを相談した。