あなたに出逢えた
このことも悩んでいないわけじゃなかった。でも、二人事の方が、私にとってはすごく大事なことだったから。あまり気にならなかったのだ。でも、いざとなると話は別。やっぱり、うまくやれなかったら、またママに迷惑がかかってしまうかもしれない。





「……栞菜。いま、仲良く出来ないとまたお母さんに迷惑がかかるとでも思った?」


「……っ!」




いきなり言い当てられて少しびっくりした。




「ハァ……。まったくあんたは。お母さんに迷惑かかるわけないじゃん。第一、そんなことを迷惑だなんて思わないよ、私なら。……だって、私は栞菜が大好きだもん。一緒にいてくれるだけでも嬉しいの。それにさ、栞菜とお母さんはずっと離れていたんでしょう?なら、なおさらそう思うんじゃないの?」




莉音は一気に全てを吐き出した。莉音や宮野は何か魔法でも使えるのだろうか。二人が言ったことは自然と心のおくまで響いてくるのだ。







「莉音。人が人を思う力って、とっても素敵なんだね。そして、とっても強くできた絆なんだね……」






莉音は、私のことを大切に思ってくれている。もちろん私も。だから、こんなにも言葉がすんなりと心に響いてくるのだろう。




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