あなたに出逢えた
ママの言ったとおり、本当にこのアップルパイは美味しかった。




「ほっぺたおちそーー!ありがとう、ママっ!」




するとママは笑顔でうなずいてくれた。



「よかったわ。栞菜が元気になってくれて。このところ元気ないみたいだったように感じたのよ。さっき空港でね。だから、嬉しそうな笑顔が見れてよかったわ」





ママにはやっぱりお見通し。何でもすぐにばれちゃうんだもん。どうしてなんだろう?不思議……。でも、嫌だなって思わない。見てくれてるんだもん。私を、私の心を。



「ママ、私ね、どうしても言いたいことがある子が二人いるの。でも、言えないかもしれなくて……。知ってほしい気持ちだけど、もう知ってるかもしれないけど、でも、言葉じゃまだ言ってないと思うの。どうしても伝えたい……」





するとママは私を優しく抱いた。まるで愛しい人を抱きしめるかのように。





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