あなたに出逢えた
「口じゃ伝えにくいの?」

私は抱かれたまま頷く。




「じゃぁ、お手紙を書いてみなさい。素直に自分の気持ちが書けると思うわよ?でも、相手にあって直接渡す。これはママからの条件よ?」



条件……?何でもいいや。とにかく二人に伝えられたらそれでいいよ。私が思っていることを、二人に伝えたい。





「ママ。ありがとう」




ママが優しく頭をなでた。すごく優しい手だ。





「さあ、お家へ行きましょうか。疲れたでしょう?」


「疲れてはないけど、お家に行ってみたいっ!」



「ふふっ……じゃぁ、行きましょうか。これから二年間住むお家よ。二年たったら、ママの会社が日本に行くのよ。だから、それまで我慢してね。その二人にあいたくなったら、いつでも言って?」




私は頷く。
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