あなたに出逢えた
私はママに抱き着いた。




「わぁっ!まぁ、栞菜……。ありがとうね……」




私はママをそっとのぞいてみると、目に涙がたまっていた。





見なかったことにしよう。ママの気持ちも、十分伝わってきたから。





それから私たちは、今まで離れていた時間を埋めていくかのようにいっぱいしゃべりながら帰った。他愛もない話だけど楽しかった。ママの話が面白くて、楽しくて。ママの気持ちも聞けたし、私はずっとこうしていたかったんだって思った。






「とーちゃくっ!」

「栞菜、部屋に行って荷物を片付けてきてね。部屋は、上がってすぐの右側の部屋だから。そしたらちょっと話があるのよ。ちょっとだけ聞いて?」




「うんっ!じゃぁ、先に片付けてくるねっ!」





私はママにそういうと部屋へと向かった。



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