あなたに出逢えた
【栞菜side】
宮野に会える。そのことだけをずっと考えていた。ママには宮野が好きって言ってあるし、思う存分話を聞いてもらった。私、すっごく宮野が好きなんだなって改めて思った。




そんなことを考えていたら、もう次の日になっていた。



「行くわよー」



ママが、下で私を呼ぶ。


「ちょっと待ってー。すぐ行くからー」


私は荷物をまとめて部屋を飛び出し、階段を駆け下りた。そしたらやっぱり、ママからのお説教。危ないでしょってすっごく怒られちゃった。でも、宮野に会えるって思ったら、舞い上がっちゃて……。



「楽しみだなぁ……」



「もう、栞菜ったらずっと幸せそうな顔してるわよ。そんなにうれしいのねぇ」




ふふっとママが笑って車に乗り込む。私は、顔を真っ赤にして、助手席にちょこんと座った。


「だって……」



私はちょっとふてくされたけど、楽しいから、どうでもよかった。ママとたくさんしゃべれるんだから、それだけで幸せだった。




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