あなたに出逢えた
それにしてもデカすぎる。こんなのに二人で住むか?って感じの広さで、私にはとてもじゃないけど理解できない。
だって、寂しすぎるもん……。

でも、ママだってそうだったんだよね。
あんなに広い家にたった一人で住んでたんだもんね。

そんなときに宮野さんが現れた。お互い寂しかったのかもしれないね……。
そんなママの大切な気持ち、私が邪魔してちゃダメじゃん。




ママには幸せになってほしいんだから。
ママは私のこと大好きって言ってくれたけど、私もうれしかったけど、でもそれが邪魔になるのなら……。


「栞菜?もう家の前よ。大丈夫?顔色がよくないみたいだけど……」

私はそう言われて我に返った。


「大丈夫だってっ!ママは心配しすぎなのっ!さぁ、早く押して?」


「え、えぇ……」


ママは、納得できないって顔してたけど私が強引に押し切った。



ちょっとして宮野さんが出てきた。


「いらっしゃい。えっと、今瞬が来てるから……」
「大丈夫よ。入ってもいいかしら?」



ママは宮野さんにそう聞くけど、入る気満々だよね、この顔……。








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