あなたに出逢えた
「いや、全然大丈夫。来てくれたことは嬉しいけど……」


そりゃあびっくりもするだろうね。
だって、いきなり何とも思ってなかったクラスメイトがいきなり兄妹だよ、なんて。


私も驚いたよ。でも、嬉しかった。宮野の近くにいられるんだって思ったから。
でも、それ以上に嫌だった。

だって、私達は兄妹になるんだよ?

もし、私の思いが通じても恋人になんてなれっこないよ……。

兄妹で恋愛ごっこなんてできるわけないじゃん。



「まぁ、上がって。そんなところに突っ立ってないでさ。ほら瞬。早く準備してきてくれよ?頼んだからな」


「あ、あぁ……」



そう言って、宮野さっきの部屋へゆっくりと帰っていった。


「栞菜、私ね、慧君と二人で話したいの」



ママがいきなりそんなことを言いだすから、私は思わず足を止めた。


「なんで……?」

「大丈夫。あなたは、瞬君と話してきて?ね、栞菜」


何を考えてるのかわからないけど、ママを信じよう。
私は、自分よりママが幸せになることのほうがいいから。


だから、きっと分かってくれるよね。




「……うん。分かった。どうすればいい?話すって言っても……」


「俺の部屋は?」




……はい?
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