あなたに出逢えた
【瞬side】
勢いで俺の部屋にしようって言ったのはいいが、こいつを自分の部屋にいれて何もしないといえるだろうか。


「……耐えろ、俺」


「宮野?どうしたの?」


後ろから若名の声が聞こえてくる。


「いや。何でもない」


「……?ならいいけど」


俺は自分の部屋に招き入れて、ソファーに座らせた。俺は向かいのソファーに座る。どうして若名は俺と話すのだろう。


もう別れる前にいっぱい礼は聞いた。もう聞くことはないと思うんだけどな……。

そう思ってるくせに、話せることが嬉しいとも思ってるんだ。
どうしようもない気持ちを、俺はどうしたらいいのだろう。

親の再婚相手が、好きなヤツの親で、しかも親たちはお互いが大好きで……。




「……あのさ。ちょっと聞いてほしいことがあるんだ」

俺が考え事をしていると突然若名が口を開いた。





「どうした?」







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