あなたに出逢えた
「これからは兄妹になると思う。あなたは私のお兄ちゃん。それ以上でもそれ以下でもなくなるんだよ。たとえ偽物だとしても、結婚までできたとしても、それでも私の気持ちは変わらないの。だから、これ以上……」


私の心に触れないで……!



「……分かった。お前の気持ちはわかったよ。でも、嫌だ。この気持ちを消すことはしばらくできないだろうから。でも、無理はもう言わないよ」



一応、引いてくれるということだろうか。良かった。私の気持ちがあふれ出す前で。



でも、これ以上ここに二人でいるのはさすがにきつい。




「ありがとう。……ママたちのとこに行こっか」

「あぁ」
私は部屋を出た。





「……どういうことだよ、美知子さん。……結婚は無しって……」




えっ……?
結婚を取り消す……?どういうこと?





「どうしても無くしてほしいの。お願い……。慧君を嫌いなわけじゃないのよ。だけど、私の短い人生より、娘の気持ちを優先してあげたいの」




何言ってんの……。バカじゃん……。





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